UEFA B「スモールサイドゲーム:チームとしての守備」
UEFA B、 FA Level 3のSSG(Small Sided Game)における「チームとしての守備」をテーマにした指導実践の一例を今回は紹介したい。
UEFA B , FA Level 3 coaching, SSG Coach Defend as a Team
オーガナイズ
- 形式:8vs8
- エリアサイズ:70x50ヤード(訳注 1ヤードは約90cm)
- ピッチ上は各守備・中盤・攻撃のそれぞれのサードで、そのエリアを視認できるようにする。
- 中央の3分の1のエリアを除き、オフサイドルールを適用する。
- フォーメーションは3-2-2が薦められる。
- 両チームとも真剣に現実的にプレーする。
- 片方のチームのみコーチング対象とする。
- フォーメーションにおけるユニットごとにコーチングをしていく。
- プレーのスタート地点は設定されているべきだが、コーチングはその場で起こる事象に対応して行うようにする。
コーチの位置取り
- コーチは常にプレーヤー全員とゲームそのものが見える位置取りをする。
- コーチはいつでもゲームの流れに対応して、もっとも状況が分かりやすい位置に動く準備をしておく。
- コーチがエリアに入ってコーチングをすることは可能だが、プレーをさえぎったり、影響を与えてしまったりする位置には絶対に立たないようにする。
- ゲームを止めて、コーチがプレーエリア内でポイントを伝える際は、素早く入り、コーチングポイントを伝え、プレーを続けさせるようにする。
選手の役目
- チームの攻撃時にコーチは、選手が攻撃の可能性を広げることだけでなく、ボールを失った時にすぐに守れるように気を配ることを徹底させる。
- 同様にチームが守備をしている際、ボールをとった瞬間にカウンターアタックができるように意識しておく。
- なお、選手(役のコーチ)たちは、コーチング担当者を助けるため、できる限り現実的にプレーする。
- そして選手(役のコーチ)たちは、常識の範囲でコーチングトピックに対応してプレーする。例えば、クロスボールに関わるセッションであれば、選手はできるだけボールをサイドへ渡し、サイドの選手はさまざまな角度からクロスボールを中に入れるよう努める。
コーチングポイントを伝える際
- このような、キートピックが設定されているSSGではできる限りコーチングポイントをトピックに沿った事柄にする。
- コーチは、フリーにプレーさせたのち、プレーの観察をして、止めたいエリアにボールが入ってきた時点で、プレーを止めコーチングポイントを伝えてもいい。
- コーチは、プレーのスタート地点を決め、プレーエリアを絞った状態でスタートして、コーチングポイントを伝えてもいい。
- エリアには素早く入り、何を伝えたいか説明する。そして同様の状況を、選手とボールを正しい位置に動かすことで、再現する。
- 必要があれば見本を見せる。なお、相手チームにも実戦同様の現実的な対応をさせる。そしてさまざまなコミュニケーション方法を活用する。
- 選手たちにわかりやすいよう、視覚的な理解にも働き掛ける。
トピックの指導
- ユニットごとにプレーを組みたてる:
- 指導するプレーはユニットごとに徐々に段階を踏んで構築されることが重要となる。攻撃をテーマにしたSSGではGKとDFのユニットへ、そしてMFユニット、さらにFWユニットを経て最終的に全3ユニットをつなげ合わせた。守備をテーマにしている際、大方、その逆順で運ぶといいだろう。FWからMF、さらにDFとGK、そして全ユニットを通して、ということである。
- 率直に言って、プレー時間の70-80%はその回のコーチングトピックに関連したエリアでプレーされるべきだろう。そして残りの20-30%はそのエリアにボールを運ぶための準備プレーとするべきである。
- 例えば、コンビネーションプレーからのシュート、というテーマであれば、70-80%の時間、ペナルティエリア内かそのすぐ外でプレーはされるべきである。そして20-30%の時間をそのキーとなるエリアにボールを運ぶための準備のプレーとなる。この時間配分により、コンビネーションプレーからのシュートというテーマは効果的に指導されることだろう。
プレーの終わり方:
一連の流れが、攻撃のトピックであれば、クロスボールや枠内のシュートなどで終われるよう、そして守備の際も、効果的な守備により、その後速攻で相手ゴールを目指せるようにする。
Reference: FA Level 3 Coaching Small Sided Games, DEFENDING AS A TEAM