試合に貢献できるコーチングのためのヒント集
コーチ自身が試合に貢献することは可能だ。でも中には試合前の準備は怠らないのに、試合の重要な時間帯にそれほどの気を使っていないコーチがよくいる。
よく言うように、それぞれのコーチはそのコーチ自身のスタイルを持っているものだ。それでもどのコーチの目標も共通なもののはずである。-本当に重要な瞬間にチームのベストを出せるようにする‐。
以下のシンプルな「-しよう」、「-しないようにしよう」のリストを参考にすれば、試合が始まってからチームに大きく貢献できることだろう。
試合を小さな焦点からばかり見ないようにしょう。
それまでの本人の経験や能力から、コーチがある選手の全てのプレーを指示することはたやすい。だが、それをしてしまうとその選手がもともと持っている試合への本能や、潜在的な能力(もしかしたらコーチを上回る潜在能力があるかもしれない。)が現れることが阻まれてしまう。そして結局、試合に逆効果を及ぼす可能性がある。一方、ポジティブな声かけは選手たちに自信を与える。心理学者が言うように、「ゴールの枠に入れよう!」は「外すな!」よりも効果的なのだ。
タイミングを見極めよう。
情報やアドバイスは選手が最もそれ受け入れられる時に与えられる必要がある。率直に言って、彼らが「コーチの言っていることに集中できる時」がその時だ。それは決してボールを持っている最中でも、ハーフタイムに入ってすぐの30秒ほどの間でもない。
試合内容以外のことに集中を阻害されないようにしよう。
観戦者や他のコーチたちとは試合後に話せばよい。選手たちもコーチの集中を必要としている。イメージ的にはチームとあなた自身を周りと隔離する膜のようなもので包んでしまうような感じだ。膜はハーフタイム中も張り続けよう。育成年代のチームは保護者からの意味のないコメントに大きく悪影響を受けることがよくある。重要なコーチの指示が周りの声に混ざってしまってはいけない。相反するような声かけはチームに与えてはいけない。
その試合のみに集中しよう。
将来の目標をみながら試合を戦うことはその試合への集中力の低下につながってしまう。
1試合を分割し、そこに達成可能な目標を立てよう。
例えば、「(ハーフタイム時にすでにある程度のリードしていても)次の10分はとにかく失点をしないようにしよう」などと声をかけることである。
心配するのは後でいい。とにかくまず観察しよう。
感情をコントロールすることだ。慌てたり、怒ったり、憤ったり、怖れたりすると、それはすべて選手の心理に悪影響を与える。ピッチで一番落ち着いているのがコーチであれば選手たちは信頼を置く。さらに様々な視点から試合を観察することは、あなたの試合分析を豊かにする。例えば、距離をとってみればお互いのフォーメーションが見やすくなり、横から試合を見ると選手のスピードがチェックしやすい、また、近くでみるほど筋力の強さなどがクリアになる。
審判とは言い争わないようにしよう。
審判と言い争うと、選手の集中力を試合自体から削ぎ、審判員などへ不信感へと導いてしまう可能性がある。もちろん指導しているチームに比較的いいジャッジが与えられることもないだろうし、そもそもスポーツパーソンとしての態度ではない。どのようなレベルの審判でも一度下した結論を変えることはほぼないし、その後、自身にとって不利になってしまうだけかもしれない。
チェック項目表を作るようにしよう。
試合がスタートした瞬間から、コーチとして相手チームの長所・短所を分析し、チームの作戦に活用すべきである。その際には相手の長所への反撃や、弱点への攻撃のために自身の戦い方を含めた簡単なチェック項目表を使うべきである。
試合開始の笛が鳴った瞬間から、コーチにとっては熟考し、チャレンジし、素早い応対をするための濃い時間が始まる。チームをその瞬間のために何日、何週間も、何カ月も準備しているはずだが、コーチも同様に、感情的にも心理的にも準備が整っているべきである。試合後に、負けても良かった点を見いだしたり、勝利後にも謙虚な態度をとったりすることもできる。ただ、いずれにせよ、コーチとして試合自体に貢献した、とあなたは言えるだろうか?(了)
参照:Soccer coaching tips to help your team on match day | Soccer Coach Weekly
こちらもどうも! サッカーコーチング専門サイト soccercoaching.jp